●かわら版 | |||||||||||||
北九州エコタウン見学 | |||||||||||||
02:自動車リサイクル事業 | |||||||||||||
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最初の工場見学先として、北九州エコタウン内の総合環境コンビナート・響リサイクル団地で自動車解体リサイクル事業を行っている西日本オートリサイクル(株)(以下:WARC)を訪問した。 WARCは吉川工業、三井物産、新日鉄などの出資で平成12年2月に営業を開始した。全国に自動車解体事業者は5〜6000社あるが、通常中古パーツを除いて、解体後シュレッダーダストとして管理型最終処分地への埋め立て処理を行っている。有害物質の恐れ、最終処分地の不足から、WARCは日本で初めて「シュレッダーダストを出さない」方式(WARC方式)で作られた事業所で、使用済自動車の回収エリアは福岡、佐賀、山口、大分の一部である。 1台解体するのに45分で、16時間/日操業で63台/日、年間17,000台処理している。処理工程は大きく5つの工程である。 (1) パーツ回収工程 きれいな車からは、まずドアやフロントガラス、バンパーなどを中古部品として取り外し回収する。工場内への順路にパーツ保管庫があったが、種類別にきちんと保管されてあった。これらはすべて販売される。 (2) 液抜き工程 燃料やオイルを回収する。これらは場内の燃料として再使用されるそうだ。 (3) 前処理工程 回収台に載せ、シート、タイヤ、バッテリー、ガラス、フロンなどを回収する。中古パーツとならなかったサイドガラスはバールで叩き割って、粉々にして下部からコンベアで回収される。これはガラス繊維の原料として使われる。フロントガラス、リヤガラスは電動ガラスカッターで切り取られ、主として路盤材となる。回収されたフロンは適正に処理される。タイヤは燃料として、セメント会社に出荷される。 (4) 解体工程 巨大なフックで横に倒して、油圧カッターでエンジンなどを回収する。エンジンは販売されるものの他、アルミインゴットと鉄としてリサイクルされる。 (5) 非鉄回収工程 ここでは配線抜き取り作業に時間をかけていた。きれいに抜き取った後、プラスチックも分解して、銅線だけをナゲット機に入れナゲット銅を製造、販売している。 以上の工程を経て、残ったボディ・部品はライン工程の最後にあるサイコロプレス機にかけられ70cmほどの立方体に圧縮され、高純度の「鉄のかたまり」として新日鉄に販売されている。WARCの従業員数は40名ほどでうち10名が解体作業に従事されているとのこと。エコタウンには同様の自動車リサイクル事業者がもう1社あるが見学は不可とのことであった。 |
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西村 浩 | |||||||||||||