かわら版
 北九州エコタウン見学
05:空き缶リサイクル事業 
●(株)北九州空き缶リサイクルステーション 
響リサイクル団地内
 
           
○ 概要

 国内最大級の空き缶処理量とスチール缶・アルミ缶の同時処理を行なっており、また 北九州エコタウン内に1事業所の形態を取りながら、実際には2つの会社が操業する点も特徴。
  最終的にスチールとアルミを同時にペレットにして再資源化を行なっている。第一の会社((有)北九州空き缶リサイクルシステムズ)が選別と空き缶の素材別プレス成型を廃棄物の中間処理として行い、 第二の会社((株)北九州空き缶リサイクルステーション)は有価物として空き缶を受け入れ、原料化を行う工程を担当している。
 
     
    缶のプレス品をチェック  
 
   
○ 処理内容

 北九州空き缶リサイクルシステムズは回収された持ち込まれた空き缶を選別し、アルミ缶とスチール缶をそれぞれ素材別に保管・移動に適したように約1千缶を1枚のプレス品に成型する。この作業では、包装容器の回収がガラス壜・PETボトルとの混合回収で収集された場合でも対応可能なように、磁選機やアルミセパレーターで空き缶を選別・収集した後で、ガラス壜・PETボトル・その他を手選別で分離・回収している。 容器の混合収集が採用されている以上、空き缶のみでなく他素材容器の回収率を向上させるために、 手選別の工程が取り入れられている。
  〜〜この作業での他素材容器の分別量を見ると、素材別の収集がいかに重要でまた回収後の 再利用時の品質維持にも影響することを改めて実感させられた。
 この第一の作業で成型された空き缶のプレス品は、敷地内の北九州空き缶リサイクルステーションのラインに運ばれて、一度プレスされた状態をバラバラにし、加熱炉に投入される。
  この加熱過程で、缶内の残留液や付着物、缶の塗装を揮発させ、同時にアルミと鉄の膨張率の温度差を利用し、通常、スチール缶の上蓋部分に使用されているアルミ部材を容易に鉄材から分離できる状態にする。 その後に空き缶を分離造粒機で直径10mm程度のペレットし、鉄とアルミに磁選機により分離する。
  従来の空き缶の磁選機による分離後の圧縮のみのリサイクルに比較すると、再利用時の純度低下を 避けることができ、特に上蓋部のアルミ材が分離できないスチール缶は純度が向上する効果が得られる 手法であるとの説明があった。
  また、第二の工程での加熱は、原料化された際の不純物や異臭・腐敗臭が無いために再利用する会社の負担も軽減されるとのことである。
 
 
   
○ 参考データ

操業開始 2003年(H15年) 4月10日
処理能力 空き缶2万トン/年
処理能力:3t/時間(50kg/1分、30個/1秒)
 
 
     
    外観  
 
    石渡 明