かわら版
 北九州エコタウン見学
07:建築廃材リサイクル事業 
●(株)響エコサイト 
総合環境コンビナート内
 
           
 建設混合廃棄物リサイクル事業が行われているのは、北九州エコタウンの総合環境コンビナート地区である。ここでは、建設混合廃棄物の他、家電・OA機器、自動車、ペットボトル、蛍光管、医療器具、PCB処理施設などほぼすべての産業廃棄物の再生事業が行われている。コンセプトは、各事業が相互に連携することで、ゼロ・エミッション型の環境産業コンビナートを意図しており、まさに環境産業の事業化を展開する資源循環拠点である。
 (株)響エコサイトの設立は平成14年11月で、建設リサイクル法の施行に合わせて、事業展開が図られた。処理能力は、13万ton/年(建設廃材10万ton/年、廃木材3万ton/年)である。出資会社は太平工業、新日鐵、間組など5社である。
 
     
    外観  
 
   
 事務所2階で簡単な概要説明を受け、窓ガラス越しに工場を見ると、可燃物(大・小)、がれき(大・小)、鉄くずなどと書かれたストックヤードが目に入った。これらを回収・分別することにより、今まで埋め立てられていた廃棄物が資源としてよみがえり、路盤材などとして再利用されるのである。材料として再生される、いわゆるマテリアル・リサイクル率は80%にも達し、熱に再生されるサーマル・リサイクル(北九州エコエナージー社)を含めるとリサイクル率は98%に達するとのことである。
 混合建設廃棄物が回収される範囲は、50km圏内が基本とのことだが、最近では関東地方から船で運ばれるケースも出てきているそうで、その場合、24時間フル操業で乗り切るとの説明であった。
 工場には、多くの建設混合廃棄物が積載されたトラックがひっきりなしに出入りしている。主要設備は、建設廃材分別工場、廃木材処理工場、石膏ボード処理工場の3つであって、従業員総数は約40名とのことである。
 建設廃材分別工場では、従業員の方が黙々と作業されていた。最初の粗選別は、どうしても人手に頼らざるをえないようである。人手により、木くず、古紙、廃プラスチック、鉄くず、繊維くずなどが事前に分別される。その後、シュレッダー、磁選機、風力選別、サイクロンなどを経て、可燃物(大・小)、がれき(大・小)などに分別される。コンクリート、アスファルトなども受け入れているが、人頭大よりも大きいものは、工場に搬入される前に、前処理されるとのことである。
 廃木材の再生工程は、釘などの異物を含むことが多いので、破砕の後、やはり磁選の工程を通って、木材チップに再生され、ボードチップや燃料チップとして利用される。

なお、北九州エコタウンで建設資材を中心とした建設混合廃棄物のリサイクル事業を展開しているのは、今回訪問させていただいた(株)響エコサイトの他、中山リサイクル産業(株)がある。
 
 
    中井 日出海