金沢21世紀美術館は、「街に開かれた公園のような美術館」を課題とした設計コンペの結果、妹島和世+西沢立衛の設計によって建てられた作品である。
直径113m、高さ15mの正円のファサードは、高透過性ガラス19+19mmの合わせ+曲げ加工した122枚のガラスによって構成され、街の四方に対して正面性をもち、外部周辺の像を湾曲に反射させ映し込みながら内部空間の様子を通している。また、正円のなかに幾つも並べられた四角形の諸室のうち、レクチャーホール、ライブラリー、そしてキッズスタジオ等の透明性の高い公共的な室はガラスの壁となっている。
美術館のなかは、多方向へ向かう廊下によって自在に動くことができ、有料展示ゾーンにおいては透明なガラスのパーティションによって廊下が区切られている。ガラスによる諸室を通してみえる向こう側の風景が見え、幾つかの中庭が配されているため内部空間全体が明るい。このような空間構成が成立しているのも、ガラスによる透明性が視覚と光をつなげ開放性と軽快さを形成しているからである。
なお、妹島和世氏はこれまでにもガラスの魅力を活かした建築作品を数多く生み出している。プリント柄を印刷したガラスによってモアレ現象を生じさせたファサードや、曲面ガラスによって歪んだ外部・内部空間の像を映し込み諸室が構成されたアメリカ・トレドのガラス美術館など、いずれもガラスの魅力と可能性を建築によって気づかせてくれる。
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