本当にあった液体説
わたしたちの身のまわりにはたくさんのガラスがあります。しかしガラスにはまだまだナゾが多く、たくさんの可能性がひめられています。1970年ごろまでは、ガラスは本当は液体であるという説と、固体であるという説に分かれていました。
水の場合は、冷やすと氷になり、温めると水じょう気になります。また氷は固体、水は液体、水じょう気は気体とよばれます。そして氷のような固体には、その物質によって決まっている規則的なつぶ(原子)の並び方(これを結しょう構造といいます。)があるのがふつうです。
ところがガラスには結しょう構造がありません。ガラスをミクロの目で見てみると、結しょう構造は見えず、あみの目が立体的に不規則に連なっているだけなのがわかります。これがガラスの不思議さのひみつです。氷と同じようにかたい物質であるにもかかわらず、ガラスは固体と液体のさかい目にあるような物質なのです。
その正体はアモルファス!
ガラスは1300℃〜1600℃という高温でドロドロにとけ、500℃〜700℃以下に温度が下がるとねばっこさを増し、粒子が規則正しく並ばないままかたまってしまいます。
ガラスのようにつぶの並び方が液体のような、結しょう構造をもたないかたい物質をアモルファス(非しょう質)とよび、最先端(さいせんたん)の科学でさまざまな研究が進められています。